aurea mediocritas

日々の雑感や個人的な備忘録

六義園記の冒頭

「道は、人によりて弘(ひろ)まる、異国(ことくに)の往にし教へ、すでに然(しか)なり。境は、名を持て伝ふ、大和歌の古き習わし、また同じ。」

 

「中国の古い教えに在るように、道はそれを正しく受け止め、その素晴らしさを他人に語り広める人間がいて、初めて広まる。同じように、我が国古来の道である、和歌のテーマ「境=名所・歌枕」も、その美しい場所の評判を語り伝え、歌い継ぐ人がいて、初めて後世まで伝えられるのである。」

 

これ、昔は

 

「みちは、ひとによりてひろまること、くにのおしえ、すでにしかなり」

 

とカナ表記されていたらしい。これだと中国の話ではなくなる。読点の位置で文意は変わる。