aurea mediocritas

日々の雑感や個人的な備忘録

追悼:本正弘

【本正弘ノート】


【直読】

「あの教師が直読ということを言っている。どうも、あいつは本当に前から読んでいるみたいだ。では、どういうふうにしていったら前から意味がとれるのだろうか、一つ盗んでやろう、という風に、学問は盗むものなんです。」(本英語長文講義の実況中継下巻p86)

 

【She will make a good wife.】

She will make a good wife.「彼女は良い妻になるでしょう」。これはSVOです。SVCではない。これを日本語の参考書とか辞書には、「〜になる」と説明するものがあるんですが、あれはどうかと思われます。というのは、becomeの意味なら、最初からbecomeと書きます。「彼女は良い妻というものを構成するでしょう」と言っている。これに慣れていくしかありません。それ以上、英語を日本語に近付けてはならない。2 and 2 make 4.と同じです。日本語では2足す2は4に「なる」と言いますが、英語は2足す2は4を「構成する」ととらえるんです。このmakeはやはり「作る」です。これをbecomeと同一視する考え方はおかしいです。

 

【SG(センスグループ)訳の提唱】

センスグループという概念を使いこなせ。

She asked me to go there.は第五文型。

She asked me a question.は第四文型。

ちなみに、本正弘の本にはなぜかよく竹村健一が出てくる。


【副詞的同格という発想】

And finally,in 1492,Christopher Columbus dared to search for the East by sailing westーーinto the unknown.

→この文では、westという副詞と、into以下の前置詞句が、同格に並び、つまり「副詞的同格」で並列され、しかもそれが、「言い換えのダッシュ」を利用して並列されているのだ。しかも、ここでは文頭副詞句が、まずfinallyと大まかに言っておいて、次に1492年と細かに具体的なことを言うという語順になっている。非常に英語らしい語順なのだ。


【顚読ではなく直読をしよう。】

Linear reading (直読)

Phasal reading (相的読解)


【英語における後置形容詞句一覧】

①関係節(関係詞が省略されれば接触節)

②過去分詞(p.p.型後置)

③現在分詞(ing型後置)

④前置詞句

不定詞句

⑥同格のthat節

→英語では形容詞成分が少し長いだけですぐに後回しにする。そのことを忘れてはならない。


【言い換えのダッシュ

For centuries men living in the lands around the Mediterranean sailed their tiny ships from side to side and from end to end of that seaーーthe sea they named the "Middle of the World Sea".

 


【強調の副詞のall】He sailed all up and down the western side of Europe.

 


【総称用法のthe】The exception proves the rule.

(いわゆる例外なるものは法則を試す。)

 


【おすすめの辞書】

語法の説明、英語に関する情報量の多さという点では『ジーニアス』が一番いい。しかし、AとBのような記号を使った文型表示の見やすさという点では『アンカー』が一番よい。

 


【関係詞の理由用法(非制限用法)】

関係詞というものが名詞のあとに置かれて、それを補足的に説明するという機能上、前の陳述内容を受けてその理由を述べることもできる。


Number sense should not be confused with counting,which probably comes at a much later stage,and involves,as we shall see,a rather intricate mental process.

[数の感覚は、数を数えることと混同されるべきではない。どうしてかというと、数を数えるという行為はおそらくずっとあとの発達段階になってから生じるのであるし、後で見る通り、複雑な精神的過程を必然的に含むから。]

 


【wouldの反復に敏感になろう】

At the approach of a man,the crow would leave its nest.

[人間が接近すると、カラスは巣を飛び立つのだった]

 

この文をもし、At the approach of a man,the crow left its nest.にすると、これはたった1回だけ起きた動作になってしまう。しかし、実際にはそういうことが何度も起こった。だからこれを助動詞で表すと、wouldになるわけだ。過去形にすると一回限りの動作になり、wouldをつけると反復させられる。

 

 

【映画の話】

『愛と青春の旅立ち』の原題がThe Officer and Gentleman


【suspectとdoubtはほとんど反意語】

①I suspect that he is lying.

②I doubt that he is lying.

①': I think that he is lying.

②': I don't think that he is lying.


【分詞構文は本質的に曖昧】

分詞構文は常に主文に対する広い意味での付帯状況を表す。


【同じ単語から生まれた反対の意味】

terrorから生まれたterrificは素晴らしいという意味で、terribleはひどいという意味。

Darling,you look terrific today.


【可能性と現実の比較におけるcouldの機能】

I do not deny that large numbers of persons could maintain health upon a smaller quantity of sleep than they permit themselves.

かなり多くの人が、現実の睡眠時間よりも少ない量の睡眠で健康を維持できるであろう可能性を私は否定しない。


【whyと置き換えられるhow】

I don't see how we can be blamed for not wanting more than this.

なぜそれ以上望まないことで我々が責められるのか分からない。


↑この文は

I don't see why we should be blamed for not wanting more than this.

に置き換え可能。


【英語の肯定文が日本語の否定文】

He is too young to go to school.

彼はあまりも幼すぎて学校に行けない。

(彼は学校に行くには若すぎる)


【elaborateの語源】

エラボレイトの中にはlaborが入っている。これは労力という意味で、eは外側outという意味。よって、徹底的に労力を投じて作り出すという意味なのだ。


【eradicateの説明】

The progress of medical science has eradicated many kinds of sicknesses from the earth.


→Radishはダイコンという意味で、radicalは根本的という意味。eはexitのeで、outという意味。それゆえ、eradicateは根絶やしにするという意味になる。

 

 

【本正弘のおすすめリーディング教材】

初級編

①Don't Tell Me What to Do.

②The Stranger

③Claws

④Z for Zachariah

⑤Tales of Horror

中級編

①Bristol Murder

②The Smuggler

③The Woman Who Disappeared

④Meet Me in Istanbul

⑤My Cousin Rachel

上級編

①The Story of POP

Rebecca