【知覚空間が運動空間を先取りするようになるまで】
①全身の運動性能による運動空間の切り出し
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②各種知覚器官に固有の運動性能による知覚空間の切り出し(ただし知覚器官別の微弱な空間規定の総体としての知覚空間)
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③全身運動による各種知覚空間の運動空間への準拠的統合
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④知覚空間に運動空間に対する先取り機能が成立(下書き機能)
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⑤知覚空間のパースペクティブ性(=起点となる視点がありその視点の運動空間内での移動を前提に知覚空間が意味付けられていること)は知覚空間が運動空間に準拠することで可能となる(つまり運動空間が成熟した知覚空間を可能にする)。ちなみに「AがBに準拠する」とは、「AはBに対応するものとして意味づけられる」という意味である。だから、楕円に見える湯呑みの飲み口も正円としてまずは意味づけられる。
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⑥体の移動を通じてパースペクティブ性を解消した空間構造が確定する。
【日常的知覚の論理的発達の順序】
①複視(=ペットボトルが幾つもみえる。だって焦点があってくるのは生後3ヶ月から。)をしている赤ちゃん。
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②運動(=触ってみたら1個だった)による触覚知。
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③触覚の場所への単眼視による像たちの収斂と重ね合わせ。
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④日常的知覚の成立。
☞立体視の成立は、複視による像のズレで説明されることがあるが、なぜ複視による像がズレたままではいけないのかを説明するには結局運動という契機が必要になる。